Roads to Linux - PPxPのインストール

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ISDNにしても相変わらずぱっとしない私のプロバイダ、某べっ甲飴。プロバイダとしては後発のBBS屋であるNIFTY SERVE経由のほうがよっぽど快適だったりします。いや、人の事ばかり悪く言うのはよくない。噂では、標準のPPPよりもPPxPのほうがデータ送受信の効率が上がるとの事でしたので、試してみる事にしました。

PPxPは、かの真鍋さんが中心となって作られている、PPPデーモンとその周辺ソフトウェアです。私がIIJ-PPPをさっさと導入しなかったのも、PPxPが私程度の人間でも扱えるようになるのを待っていたためでもあります。最近は雑誌にも取り上げられ始めたりしていますので、そろそろ使ってみる潮時でしょう。

真鍋さんといえば、UNIX USERの連載が終了してしまったのが惜しまれます。あの連載がなくなった事で、日本でのPC-UNIX界は、LinuxからFreeBSDへと流れていくだろうと思います。残念な事です。

さて、PPxPには、PPxPのソースパッケージ以外に、userlinkドライバとGNU readlineライブラリが必要です。userlinkドライバは、IIJ-PPPの場合と同じく、カーネルとPPxPの間を取り持つ役割を果たします。readlineライブラリは、その中のヘッダファイルのいくつかがコンパイルに必要なためのようです。

■userlinkドライバのインストール

userlink-0.97.tar.gzを入手して展開、コンパイルとインストールを行います。

tar zxvf userlink-0.97.tar.gz
cd userlink-0.97
configure
make
make install

■GNU readlineライブラリのインストール

readline-2.1.tar.gzを入手して展開、コンパイルとインストールを行います。

tar zxvf readline-2.1.tar.gz
cd readline-2.1
configure
make
make install

■PPxPのインストール

準備が整ったので、いよいよPPxPに取り掛かります。ppxp-0.98052123.tar.gzを入手して展開、コンパイルとインストールを行います。

tar zxvf ppxp-0.98052123.tar.gz
cd ppxp
configure
make
make install

あまりにあっけなく終了しました。

この後どうしたか、はっきり憶えていないのですが、kerneldを使っているのであれば、このままで次に進めると思います。不安ならdepmod -aして再起動すれば確実でしょう。

■PPxPの設定

PPxPを使ってみます。本来、結構高度かつ細かい設定が行えるPPxPですが、恐ろしい事に、ちょっと使ってみる分には設定ファイルをいじったり等の作業は必要ありません。いきなりPPxPのCUIフロントエンドプログラムであるppxpを起動します。

ppxp

すると、ppxpプロンプトが表示された状態になります。ここで

qdial

と入力します。QUICK DIALUPという画面になりますので、ここでプロバイダに合わせた設定を行います。私の場合は、Phone Number(s)/Login Name/Login Password/Password(again)を入力し、これをbekkoame-64kというような名前で保存しました。保存した設定ファイルは、次回以降のppxp起動時に

ppxp bekkoame-64k

のようにコマンドラインパラメータとして指定したり、ppxpプロンプトから

source bekkoame-64k

または

. bekkoame-64k

のようにして読み込む事ができます。

さて、設定が読み込まれている状態で、ppxpプロンプトから

connect

とするとダイアルが行われ、接続が完了するとプロンプトがPPXPに変化します。

接続を切る場合はdisconnect、ppxpフロントエンドを終了する場合はbye(接続はそのまま)もしくはquit(接続を切断)の各コマンドがプロンプトで使用できます。また、これらのコマンドはPPxPが判断できる状態まで省略が可能で、それぞれc/d/b/qだけでも構いません。

しかもppxpプロンプトでは、PPxPに存在しないコマンド入力はそのままシェルに渡されますので、フロントエンドを立ち上げっぱなしにしておいてもそれほど困りません。

もしも今までのPPPと同じく、フロントエンドに入る事なく接続等を行いたい場合は、ppp-onスクリプトとして、

ppxp bekkoame-64k -C connect

またppp-offスクリプトとして、

ppxp -C disconnect

を作成しておけば、これまで通りの操作ができます。

実際にはまだまだ機能があるPPxPですが、以上を憶えるだけで十分使えると思います。

しかもPPxPにはX用の見栄えのいいフロントエンドまでありますし、そもそもIIJ-PPPがルーツなので、オンデマンドダイアル等の機能もあります。どちらも今回はまだ試していませんが、今後機会を見つけて設定する事にします。

■PPxP使用感

さて、使ってみた感想ですが、これまでのようにtail /var/log/messagesを何度も行わなくてもフロントエンドで状況確認ができるようになったのは、某べっ甲飴のように客を馬鹿にしてリダイアルをさせまくるプロバイダ使用者としてはとても助かります。

qdialを使用した設定方法が楽なのも便利です。また設定ファイルは(当然ですが)テキストファイルですから、コピーして修正等といった事もできますし。PPPは現代においてはごく基本的な機能であるにもかかわらず、Linux初心者にとっては設定方法がとっつきにくい部類に入るといわれているようです。しかしPPxPなら、なんとなくいじっていればすぐに接続できるようになるでしょう。そういった意味では、デフォルト値の選択が的確である点が素晴らしいといえます。

ただ、速度については特に速くなったとは感じられませんでした。これはまあ、元々が某べっ甲飴ですしね。

また、某べっ甲飴の札幌ISDN38400回線は、標準のPPPの時から何やら繋がりにくかった(接続途中で向こうのTA(モデム?)がだんまりになる事がある)のですが、PPxPがフロントエンドの状態でそれに遭遇すると、そのまま操作不能になってしまったりします。タイムアウト時間等を調整すればいいのかも知れませんが、そもそもそういったやくざなTAを商売に使ったりしないまっとうなプロバイダを変えればいいだけの話ですし、深く調べていません。

あとはWindows用のフロントエンドが欲しいところです...簡単に作れるもんなんだろうか?


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